冒険記録日誌
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| 2005年06月23日(木) |
ゲームブックの思い出 (はじめて編) |
私がゲームブックの存在を知ったのは、小学生の頃に通っていたソロバン塾でのことだ。他の生徒の1人がゲームブックを持ってきていた。 双葉文庫の「スーパーマリオブラザーズ マリオを救え!」だった。 その場で借りて少しだけその本を読んでみた。手元にメモ用紙がないので、今は遊べないかなと思ったが、この本には本編とは別に、パラグラフ40の「ルイージの大冒険」と言うミニゲームブックが巻末についていたのでこちらを遊んでみた。つまり私が最初に遊んだゲームブックは正確にはこの「ルイージの大冒険」ということになる。 面白かった。当時はファミコンが欲しくても買ってもらえなかった少年だった私にとって、とても衝撃的な出会いだった。本でもゲームができるとは!ってね。 さっそくそのソロバン塾の帰りにゲームブックを買いに本屋に行ってみると、小さな本屋にもかかわらず、ゲームブックは専用コーナーが設置され、沢山の本が置かれていた。 今まで全然気がつかなかったなぁ。と思いつつ、その場で購入したのは社会思想社の「地獄の館」であった。恐ろしげなイラストと嵐の夜に謎めいた屋敷に入るというプロローグが気にいったのだ。 それからしばらく「地獄の館」にはまっていた。選択肢のたびにドキドキしたし、ブランディや武器を入手すると大喜びしたし、戦闘シーンなんかは大興奮。ゾンビとの戦闘でサイコロを振って一ラウンド勝つたびに、思わずパチパチと1人で拍手をしていた記憶がある。(笑) 怖い。面白い。でも黒ミサのシーンで生贄の少女を助けられないことが、当時はすごく不満だった。ここで主人公は格好良く救ってこそ、ヒーローじゃないかと。それ以前に主人公が生き残れない。何十回とやったのだが、クリアできなかった。 結局この本は実は未だにクリアできていないまま、今にいたる。それでも「地獄の館」は十分に楽しめた作品だった。死んでも死んでも何度も挑戦意欲をかきたてさせる演出の勝利だろう。
すっかりゲームブックに満足した私が続いて購入した作品は、また路線の違う双葉文庫の「謎の村雨城 不思議時代の旅」だった。 これファミコンのディスクシステムだった原作のゲームソフトが、欲しくて欲しくてたまらなかった為である。(ゼルダの伝説に興味がなかったあたり、当時からB級趣味だったんだなー) いわばファミコンの代用品として購入したのだが、原作と違って主人公が現代に生きる普通の少年という設定にびっくりした。難易度は「地獄の館」より遥かに易しく、はじめて私がクリアしたゲームブックである。エンディングが爽やかで読後感が良かったのが印象に残っている。当時は他に何冊もゲームブックを買う財力もなかったので、この作品ばかり飽きもせずに何度も挑戦して何度もクリアした。 今から見れば難の多いところも目について、今、創土社から復刊しているゲームブック作品に比べれば、決して名作といえる出来ではない。それどころか、よくいわれるブームにのって登場した粗製濫造作品の1つだろう。 しかし、当時は夢中で遊んでいた。満足していた。ゲームブックがますます好きになった。 面白くないと思う作品は誰でも大なり小なりあるだろう、それがつまらないと発言するのも自由だと思う。だが、粗製濫造がゲームブックの滅亡をまねいたという説だけは、この頃の経験から断固として否定することにしている。
続く
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