冒険記録日誌
DiaryINDEX|past|will
| 2005年03月23日(水) |
ブラッドソード2 魔術王をたおせ!(デイヴ・モリス オリバ−・ジョンソン/富士見書房) その1 |
(ネタバレ満載です。ブラッドソードをプレイ予定の方は読まないで下さい)
前回の冒険から半月が経過した。(ブラッドソード1勝利の紋章を奪え!の冒険記録日誌を参照のこと) 冒険者一行は、不運にもクラースのダンションで倒れた戦士と僧侶に変わって、新たに2人の仲間を加わえて旅を続けていた。戦士モリスと僧侶のオリバ−だ。
*冒険者のパーティ構成と、そのキャラクターの名前* 戦士(レベル2)───モリス 盗賊(レベル4)───バーガン 僧侶(レベル2)───オリバー 魔術師(レベル4)──リー・チェン
今はクラースの南東に広がる広大な森の前の草原である。一行は、同じく明日の森越えにそなえる商人や巡礼者、狩人達に混じってキャンプの支度をしていた。 なんということもない旅の一日だった。つい先程、謎めいた占い師の老婆に、「おまえ達には避けがたい運命がある」と言われたことさえも、たいして気にすることもなくなっていた。 今晩を共にする他の旅人達を見ると、雪のように真っ白な髪の吟遊詩人の旅人が竪琴を弾いているのに気がついた。興味をもったバーガンが話し掛けて竪琴を借り、見事な演奏を披露してみせると、感動した様子で予備の竪琴を贈り物として譲ってくれ、こう言ってくれた。 「見事な腕だ。あんたは素晴らしい才能をお持ちだ。この竪琴を差し上げよう。恐ろしい危険にはまったときに役立つはずだ」 礼を言おうとしたが、すでに旅人は遠くで悲しげに鳴く鳥の鳴き声に、耳を傾け魂を奪われているようだった。 演奏に興味のないモリスはチェッカーの勝負に興じる商人達の方を覗きにいっている。 それは平和な日暮れのキャンプ場の風景だった。そう、日が暮れるまでは・・・・・・。
最初に商人達に対して違和感を感じたのはモリスだった。さっきまでやっていた彼らのチェッカーの駒の動きがなにか妙だったのだ。大したことではないかもしれないが、モリスは自分のカンを信じた。 彼がバーガンに話すと、バーガンはすでに薄暗くなった原っぱのあちこちで眠り始める商人の一人に見えないように近づき、商人達の声色を真似て話しかけた。 「黙ってろ間抜けめ。森の民たちが聞きつけるぞ」 そいつは邪険にそう答えた。間違いない。何かよくないことが起ころうとしているのだ。 行動を起こすなら不意を討てるように早い方がいい。 バーガンはチッェカーを差していた男にそっと近づくと、電光石火の早業で短剣を喉元につきつけた。男は牙をむき出しこちらを睨みつけて唸り声をあげた。 牙?唸り声といい、いつのまにか体中に生えてきた硬い毛といい、こいつは狼男じゃないか! 「我々は必ず勝つ」 もう一人のチッェカーの差し手が、立ち上がって唸った。その男の顔も、だんだん狼の顔に近づいていく。背後では、奴らの部下の商人達が、無防備な森の民たちを相手に虐殺を繰り広げ始めていた。 「無駄なことはやめて降伏しろ。兄弟から身を引くのだ」 「こいつにはこの世から身を引いてもらおう!」 バーガンはためらわず短剣を狼男の喉に突き刺した。残りのメンバーは、残った狼男や商人達を迎え撃とうと剣や六尺棒や魔法で身構えた。
満月が昇りきる前に不意をつけたのが良かったのだろう。特に大きく傷つくことなく、戦闘は勝利に終わった。 草原を見渡せばあたりは死屍累々のありさまだった。森の民たちは全て殺されたか、散り散りに逃げ出してしまったらしい。生きている者は自分達だけだ。 いや、うめき声が聞こえる。あの吟遊詩人の旅人が虫の息の状態であえいでいたのだ。 旅人の傷口から出るおびただしい血を見てオリバーは首をふる。もはや僧侶の生命回復術をもってしても手遅れだろう・・・。 「奴ら私をとらえようと・・・私はこのことの為にずっと・・・・」 旅人は震える手で、荷物入れから細長いものを引き摺り出した。 それは輝くような金箔を施した剣の鞘だった。モリスが男から鞘を受け取る。 「5人のマグス・・・。まもなく奴らは復活するだろう。そのとき、立ち向かえるのはこのブラッドソードだけだ。刃と柄を捜すのだ・・・。ワイアード王国のワーロック王が柄を持っている・・・」 凄まじい気力で、声を振り絞っているようだった。 「私はマグスの配下に殺された。この鞘をお前達に託す・・・。この鞘を手放してはならぬ。それこそ破滅だ・・・。ワイアードへ行け。それが唯一生き残る道・・だ・・・」 男は目を見開いたままこときれた。その目は死者になってなお、輝くブラッドソードの鞘をくいいるように見つめていた。
続く
*******************************************
のっけから緊張感のある始まりかたです。ブラッドソードの真の物語は、ここから始まると言っても過言ではないでしょう。 それからこの第二巻のプレイ、初めは前回の冒険で生き残ったメンバーだけで冒険を続行する予定でしたが、戦士か僧侶がいないと異変に気付かずにのん気に寝てしまい、どうしても不利な戦闘になって勝てません。 レベル4の盗賊と魔法使いでは、7・8回やり直しても駄目。盗賊の攻撃のタイミングを考えたり、魔術師は盲目的服従やバンパイア、雷撃の呪文も使ってみましたがどうしても駄目です。 そんなわけで新しくレベル2の仲間が加わったということにして4人パーティで始めることにしました。こういった融通をきかせることが出来るところが、ゲームブックのいいところです。
|