冒険記録日誌
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| 2004年07月20日(火) |
ルパン三世10 密林の追撃(上原尚子/双葉文庫) |
ジャングルのど真ン中で目覚めた俺は一切の記憶を失っていた。―たったひとつ、『ルパン三世』という名をのぞいては…。革命後の混乱が続く東南アジアの小国で、生命を賭けた俺の逃避行が始まった。俺を追う革命政府軍の圧倒的な物量に比べ、俺の持っているのは旧式な米軍のアリスパック一式のみだ。追われる理由も、自分自身がこの国に潜入した目的もわからず俺は逃げ続ける。生き延びることはできるのか?記憶を取り戻す方法は?俺は本当に『ルパン三世』なのだろうか!(本書カバーより)
ルパンらしさ:★★★★★
兵士の姿をした記憶喪失の男が主人公ということで、他のルパンシリーズとは異質な感じがする。序盤から正体のわからない敵兵に追われるサバイバルゲームは、泥臭い感じでルパンの世界らしくない。まるでベトナム戦争の傭兵を題材にしたゲームブックみたいだ。 ただしストーリーや文章表現そのものは、謎と緊迫感があってよく出来ている。
ゲームの完成度:★★★★★★★
ルールは体力と知力ポイントのチェック。そしてサバイバルグッズの装備状況の確認くらいで簡単。ストーリーとゲーム性がうまく馴染んでいて、ゲームバランスはそんなに悪くない。
ヒロインの魅力:★★★★★★★(モイ)
反革命ゲリラの一員として、不遇の人生を送る少女。 最後に戦場で生きる決意をルパンに告げるシーンには胸をうたれる。
お気に入り度:★★★★★★
ワイヤーソー・マシェント・ウォータータブレット・マグネシウムファイアスターターなど、一般的なゲームブックには見られない専門的なサバイバルグッズが登場するけど、あとがきを読む限りではこれは作者の趣味らしい。(そういえば同じ作者の書いた“Pファイルを奪え”でも、ビルに潜入するのにサバイバルグッズを持参していたな) 一方、記憶喪失という設定は編集者の趣味らしくて、お互いの希望をあわせて今回の作品が出来上がったようだけどね。 ルパン三世って、本当にどんな設定にでも対応できる便利な原作だよね。
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