冒険記録日誌
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| 2004年07月02日(金) |
宇宙の暗殺者(A・チャップマン/社会思想社) |
本日紹介するのは、ファイティングファンタジー12巻の「宇宙の暗殺者」です。この作品はまだ未プレイでしたが、SFという世界もたまにはいいもんです。 内容は、主人公は宇宙の暗殺者として、巨大宇宙船「ヴァンダーベット」に潜入し、悪魔の科学者サイラスを捕らえるというもの。 従来のファイティングファンタジーのルールに加え、銃と宇宙服を使用した銃撃戦とか、それらしい特殊ルールがいくつか加わっています。敵もミュータントとか、ロボットとかSFならではの敵が登場します。(もう一つ、ゲーム中に市街戦ウォーゲームというマップを使用した独特の戦闘シーンがあったのですが、こちらは適当にパラグラフを選んでいたら勝っちゃったので印象薄し) 続いてゲーム性としての感想ですが、このゲームではこれがないとクリア不能という必須アイテムが存在しません。役に立つヒントやアイテムが無い場合でも、運や戦闘力次第でなんとか切り抜けられるようになっています。 逆にいうと、一見無謀だがこの選択誌を選ばないと必須アイテムを入手できないとか、ファイティングファンタジーシリーズにありがちな読者の選択の楽しみを奪うような欠点はありません。おかげでやりごたえがないと思う方もいるかもしれませんが、自分の思うままに選択肢を選ぶことができるタイプのゲームブックは私は大好きです。 クリアしても違うルートを試そうと、繰り返しプレイすることができると考えれば、コストパフォーマンスは高い作品です。
しかしですね。プレイしてみるとSFとしての不満点が湧いてきました。この設定にもかかわらず、怪物の跋扈するダンションに分け入って悪い魔法使いを倒すという「火吹山の魔法使い」と中身はあんまり変わってない印象を受けるのです。 なぜって、巨大宇宙船「ヴァンダーベット」というのは、どうも科学者サイラスの手にも負えない程大きなものらしく、敵の間で情報の通信というものがあまり感じられないのですね。ロボットや警備員と派手に戦うことはあっても、単発のイベントばかりで、それによって敵の援軍が増えるとかはまったくないですから。それじゃ、怪物と戦っているのと同じです。 主人公も主人公で、タイトルの「暗殺者」という言葉から、敵に気付かれないように隠密行動をとるようなイメージがあったのですが、堂々と正面突破するとは・・・・・・。しかも、敵の本拠地というのに警備兵もまばらだし。 なんというか、この巨大宇宙船「ヴァンダーベット」が、ゲームの為にとってつけた設定のように見えてしまうのですね。まあそれをいうなら主人公の所属する「暗殺者ギルド」という設定も同じくらい正体不明な組織なんですけど。
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