冒険記録日誌
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2004年06月25日(金) ロシア不正規隊 亡命ゲーム(さいとうたかを/西東社)

 いわずとしれたゴルゴ13で有名な“さいとうたかを”の書いた漫画型ゲームブック。ソ連を舞台に亡命を希望する要人を助け、ソ連の秘密警察(KGB)による妨害の間隙をぬって無事に脱出させるという、スパイものの基本のようなストーリーです。
 主人公は西側諜報機関に所属する秘密工作員、コードネームは「ホーク」。その素顔が太い眉毛の日本人なのはお約束でしょうか。とにかく渋い男で、寡黙に徹しています。一番多いセリフは「………。」というあたりが、“さいとうたかを”作品らしいです。
 続いてゲームブックとして見てみると、漫画形式だけにパラグラフ数は200にも満たない小作品にもかかわらず、ストーリーは以下の3章に分かれています。

 いきなり無実の罪で投獄された強制収容所から脱出する第一部。
 2人の仲間と連携して、要人を収容施設から救出する第二部。
 要人とその家族をソ連から脱国させる第三部。

 各章では、それぞれ選択肢の結果にスパイとしての適正を図る得点がついていて、最後に主人公の手腕を評価される材料になります。
 変わっているのは第二部で、ここだけホークとその仲間達(つまりタイトルにある、ロシア不正規隊)という意味で、主人公が3人います。起こる事件は同じですが、3人の視点で別々のストーリーが用意されているのです。
 誰の視点でゲームをするかは第一部の成績次第。優秀な成績だったなら引き続きホークで、失敗していたなら脇役として任務をこなさなくてはなりません。このシステムは面白いので3部でも採用してほしかったくらいです。

 まあ全体を通して見れば、運任せでしかない選択肢や、戦闘機の名前から二人乗りの戦闘機を選別するというマニアすぎる選択肢も中にはあって、ウギーッ!!と思うこともありますが、小さいことは言っこなし。
 “さいとうたかを”ならではの劇画タッチの世界が拝めるわけだから、こりゃもう満足するしかありませんな。


山口プリン |HomePage

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