冒険記録日誌
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| 2003年12月07日(日) |
ソーサリーの翻訳について |
冒険記録日誌自体も久しぶりの更新なのだが、気がつくと剣社通信(21世紀でもゲームブックを出版する稀有な出版社、創土社のサイトのゲームブックコーナー)も久しぶりに更新されていた。 読んでみるとなになに・・・12月発売予定のソーサリーの第2巻「魔の罠の都」の情報か。ちょっと抜粋してみよう。
>発売は12月24日前後に書店に並ぶ予定です。クーガを勇牙、弟を四牙と訳し >て、漢字の神様にするというのを考えていたのですが、あまりに無茶苦茶すぎる >ということで、カットする方向に。
たしかに無茶苦茶かも。個人的には好きな浅羽訳だが、なるべくカタカナ翻訳に頼らないで訳すという方針が、極端すぎる気もするのだよなぁ。もし普通の翻訳者が訳した「火吹き山の魔法使い」が存在したら、是非読んでみたいとも思う。 あ、携帯アプリ版の「火吹き山の魔法使い」があるか。でも、ちょっとあれは興味ないかな。 それから、
>創土社版では、くちづけの手順が書かれた記述は省略無しで、全部訳されるので、ヒントをきちんと集めていれば、やぶれかぶれキスで神様に殺されることは無くなります。
これにはびっくり!あの欠点は、ソーサリー最大の欠点と思っていたのだが、創元推理文庫版の翻訳の過程で発生した問題だったのか。 創元推理文庫版の翻訳って、巻によって翻訳者が違うためか、言葉の不統一(例えば1巻では“野宿”と書いている言葉を、3巻は“キャンプ”と訳している)があったりと、確かに突貫工事で仕上げたような印象はあるものの、あれはあれで好印象をもっていたのだけどな。安心したような残念なような、複雑な気持ちだ。
しかし、もし創元推理文庫版のソーサリー1巻のタイトルが「魔法使いの丘」ではなく「シャムタンティの丘を越えて」のタイトルで当時発売していたら、売上は実際よりも落ちていたと思う。 当時、ファンタジーに馴染みのない日本人が興味を持つように、あえて超訳(本来とは違う訳し方)をしていたと思われる部分もあるし、創元推理文庫版の翻訳を浅羽訳と比べてどうこう言うのは、止めておきたいと思う。ただ翻訳の違いを楽しむのみだ。
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