冒険記録日誌
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2003年10月25日(土) ワルキューレの伝説 舞い降りた女神(尾崎克之/双葉文庫)

いわずと知れた、ナムコが誇る代表的ゲームを、ゲームブック化した作品です。
ワルキューレのゲームブックだと、創元推理文庫から発売された三部作が有名ですが、双葉作品でもあったんですねぇ。
双葉ゲームブックには、ゼビウスとかドルアーガなど、他のナムコ作品がなかったので少し意外でした。
読んでみた感想ですが、創元推理文庫のワルキューレはもとより、同じ双葉ゲームブックのドラゴンクエストなどの作品に比べても内容が劣る気がします。
その大きな理由を2つ書いてみましょう。
まずゲーム序盤はワルキューレの仲間であるサンドラが主人公なのに、冒険の途中からワルキューレの視点に切り替わるあたりが問題です。創元推理文庫版も似たような箇所はあるのですがあっちはストーリーの面白味を作る為の処置であったのに対して、本作品はその必然性がなく、またあまりにも唐突すぎ。なによりストーリーがほぼ一本道なので、選択肢のドキドキ感がまったくない。
続いて戦闘シーン。TVゲームのRPGのごとくいきなりイベントが発生します。戦闘中にショップでアイテムを購入できるという要素も、なんだかな〜な気がしますが、問題は攻撃方法。剣といくつかの魔法の中から選べるのに、その選択の根拠が示されていないのです。半ば運任せ。なにより雑魚の敵は倒しても倒しても延々と仲間が登場するので、ボス戦以外は逃げないと基本的にストーリーが進まない。敵を倒すのはゴールド稼ぎのみの目的でしかないという、単なる作業以外の何者でもない戦闘システムはやっていて苦痛でした。

670もの膨大なパラグラフ数を使った複雑なパラグラフ管理などを見ると、決して作者が手抜きをしていたとは思えず、むしろ真面目に作っていた感じなのですが、それが面白さに繋がっていないのにはガックリ。
ゲーム性は二の次でもストーリーが素晴らしいとか、あるいはその逆とか、「超時空パイレーツ」みたいなメチャクチャすぎるところとか、なにか一つでも面白い特徴があるゲームブックの方が楽しいですね。


山口プリン |HomePage

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