冒険記録日誌
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2003年06月23日(月) びっくりハウスの謎(クストファー・ブラック/朝日ソノラマ)

 朝日ソノラマのゲームブックといえば、ハローチャレンジャーブックシリーズです。
 全部で15巻まで発売されていましたが、みなさんは読んだことがありますか?
 社会思想者のファイテングファンタジーシリーズや双葉社のファミコン冒険ゲームブックなどに比べて、遥かにマイナーなシリーズではありますが私は結構好きなシリーズなのです。
 一作目の「出発!スターへの道」で(当時の)現代ネタのゲームブックを出したかと思うと、二作目の「妖魔の森の冒険」では古典ファンタジーの世界を舞台にした作品、三作目の「エイリアン地底魔城」では原作付きのゲームブック、六作目の「モニュメントの謎」はイラストだけで文章がないという実験的な作り、九作目の「魔法使いナシアンの旅」では創元推理文庫でも通用する本格派のゲームブックを出したりと、とにかくバラエティー豊かです。各作品の当たり外れは大きいのですが、なかなか面白い、通好みのレーベルといえるでしょう。

 さて朝日ソノラマのゲームブックにはもう一つ、さらにマイナーなシリーズが存在します。それが「びっくりハウスの謎」を始めとするスターチャレンジシリーズです。
 私が所有しているのは第三巻にあたるこの一冊のみなのですが巻末の案内を見る限り、このシリーズは全て同一舞台で同一作者の書いたゲームブックのようです。
 どんな内容なのかというと、SFです。主人公は惑星連合の新人諜報部員。相棒のロボット“2-Tor”とコンビを組み、宇宙をまたにかけて犯罪組織をぶっ潰すという格好良さそうな話しになっています。まるでキャプテンフューチャーのようですね。

 肝心の「びっくりハウスの謎」自体の感想ですが、本書は選択肢を選ぶだけの分岐小説タイプのゲームブック。パラグラフ数は115しかありません。
 “遊園地惑星”で仲間の諜報部員が次々と失踪するという事件の調査が、今回の任務です。実際にやってみると物語の中核となる粗筋はなく、選択肢次第でストーリーはいろんな展開に変化していきます。
 以前に日記で取り上げた、講談社の「スペース・パトロール」と雰囲気が似ているのですが、こちらの方が展開が安っぽく退屈に感じました。本文イラストも腰砕けになりそうな出来で(特に“2-Tor”の団子みたいなデザイン)いまいちこの世界に入り込めません。
 まあ、この辺は好みの問題もありますが、一言で感想を書くと


つまんない


です。コレクター以外にはお勧めしません。
 スターチャレンジシリーズは、現在はめったに入手できないレアものなのですが、この分だと他の巻もあまり期待できません。珍しければ素晴らしい作品というわけではないという見本のようなゲームブックでした。


山口プリン |HomePage

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