冒険記録日誌
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| 2003年04月25日(金) |
輝け!ゲームブック魔法使いコンテスト 「魔法使いディノンシリーズ」 |
たけたろう「さあ、最後の方の登場です。エントリーナンバー20番。ハヤカワ文庫から“失われた体”と“闇と炎の狩人”の主人公、ディノンさんです!」 山口プリン「おお、かなり判断が難しい人が登場しましたね」 たけたろう「“闇と炎の狩人”の方を持ってないからですか?」 山口プリン「以前に古本屋で購入したはずなので、実家のどこかに置いてあるはずなのですが・・・。って、違いますよ。“失われた体”を読む限りでは、魔法の概念が他のゲームブックとまったく違うからです」 たけたろう「そうなのですか。それをお聞きする前に、得点に行きましょうか」
名声点:★★ 芸術点:★★★★★★ 呪文数:★★(判定不能) 戦闘力:★★★ 便利度:★★★★
たけたろう「なかなか健闘しています。芸術点が高いですね」 山口プリン「単純に他のゲームブックとは比較できないので、これらの点数は仮のものと思って下さい。この世界は呪文という概念もないようなので、本当は呪文数も点をつけられません」 たけたろう「いったいどんな点が、他のゲームブックと違うというのですか」 山口プリン「他のゲームブックの魔法は、いわば呪文というカードを使い分けるゲームと思うのですね。このカードは、ルール説明の魔法リストもしくは冒険中に魔法を覚えていくという形で、用意されるわけです」 たけたろう「魔法使いディノンシリーズにはそれがないと言うのですか?」 山口プリン「巻末に“メノン”という魔術書のような本がありますが、これは魔法の概念や魔法のイメージの解説を載せているだけです。単純に説明しにくいのですが、主人公は冒険中にさまざまなイメージを浮かびあがるのです。例えば“回転する車輪のイメージが浮かびあがる。そのなかには赤い正方形があった”とかね。この意味を先程の“メノン”を参考に読み解くわけです。そして場合によっては、そのイメージを自分や敵に放ったりします。結果、相手が炎に包まれたり、あるいはイメージを読み間違って自分が火だるまになったりするわけです」 たけたろう「うーん。なんだか難しそうですね」 山口プリン「正直いって単純な私には、ストーリーも含め、抽象的すぎてその面白さが伝わらなかったのですが、独特の雰囲気があるのは間違いありません。良いと思ったところは、ディノンが体を乗っ取られて他人の体に存在することになった主人公という設定。そして選択肢の文章にディノン(読者)の心情がよく描かれているところです。わけもわからずに異世界につれてこられたディノンを読者は自分の分身として強く感情移入できたと思います。取り敢えずは皆さんにも、一読してから判断して欲しいと思う作品ではありますね。もっとも私は、双葉ゲームブックの方が性に合っていましたが」 たけたろう「あらら。どうも芸術性が高い作品は苦手のようですね。確か“送り雛は瑠璃色の”もまだ読んでないでしょう?」 山口プリン「どうも食わず嫌いで。こっちは創土社から復刊されたら読むつもりですがね。まあ私みたいな、ピカソの絵よりも学生の書いた写生画の方が好きな人が、たまにはいてもいいでしょう」
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