冒険記録日誌
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2002年08月17日(土) 殺人犯はだれだ(エドワード パッカード/講談社)

外国の人の食事シーンの写真が表紙を飾っていて、まるでハーレクイーンのような装丁のゲームブックです。
これはシャーロックホームズやポアロのような本格推理小説のゲームブックだろうと予想したのですが、読んでみると少年探偵団か名探偵コナンのようなノリでした。
ちなみにルールは、選択肢を選んで進めるだけなので簡単です。文章が横書きなのが少々読みにくいですけど。
物語は探偵少年と評判の僕が、億万長者のスロンビー氏から探偵の依頼を受けるところから始まります。
「私の命が狙われている気がするんだ。さぐってもらえないか」
いずれにしてもこの後スロンビー氏は毒殺されるのですが、この誘いをすぐ受けるかどうかで、事件の瞬間に立ち会えるか、自宅で殺人事件の知らせを聞いて駆けつけるかと展開が大きく変わります。
事件後は聞き込みや現場調査、指紋鑑定など捜査に基本的な選択肢があって、探偵気分は味わえます。エンディングも複数用意されているので、一度クリアしても繰り返し楽しめる点もいいです。
ただ本書は個人的に気になる点あり。
それは肝心の解決部分に、物足りない内容があることです。
私がクリアしたときは、捜査の最中に主人公が犯人に襲われ逆に犯人を逮捕したと言う、唐突な展開でした。せっかくの捜査が尻切れトンボになってしまい釈然としません。
もっと納得できないのは、展開によっては登場する次の選択肢です。

・この事件の解決をあきらめるなら○○○へ
・この事件を解決したと確信がもてるなら○○○へ

ここであきらめたらゲームオーバー。これはいいです。
問題は解決したという選択。これを選ぶと警察に、「犯人がわかりました」と電話して、それだけで物語が終わってしまうのです。
犯人の名前は登場しません。つまり自分の推理が本当に正解だったのかも分からないのです。
事件のタネ明かしなしで、納得できるかっつーーーの!
いくらエンディングが複数あるからって、ゲームブックに限らず物語に起承転結をキチッとつけるのは基本だと思うのですがね。ちょっと今回は不満でした。(一応フォローすると、まともな結末もちゃんとありますのであしからず)


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