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みんみん



 今日借りた本

▼井狩春男「本の虫」(弘文堂、2002)
本書は、
・最新ベストセラーの方程式
・《鈴木書店》最終章
・『日刊まるすニュース』風速30年視
の3部で構成されている。
かつて鈴木書店という書店取次(問屋さん)があり(今は倒産してしまった)、「日刊まるすニュース」という手書きの出版ニュースが、書店や大学生協宛てに(本書によれば日・祝日をのぞく)毎日配信していた。このまるすニュースを書いていたのが元社員の井狩氏。
まるすニュースは、通っていた大学の生協の一隅に毎日掲示されていて知った。大学2年の頃まで、学校から歩いて15分ほどのところに住んでいて、授業があってもなくても日曜日以外はたぶん毎日大学に行っていたような気がする。「ような気がする」じゃなくて「行っていた」と断言していいのだが、たぶん生協にも毎日行っていて、その時にまるすニュースもチェックしていたのだろうと思う。
本書の第3部としてまるすニュースの抜粋が収められている。推薦されている本のいろいろを見て、あーこの本あったなー、などと思い出されるのも懐かしい。実際に読んだ記憶の残るニュースもある。

▼甲田幹夫「ルヴァンの天然酵母パン」(柴田書店、2001)
富ヶ谷にある天然酵母パン屋、ルヴァンのオーナーが書いた本。ルヴァンは日本でいちばん有名な天然酵母パン屋、と断言していいだろう。

もしこれがうまくいかなかったら、とか、そういう時にいろいろ考えることがあった。例えば、大学の不合格通知が来てどうするよ、というような時に、とっさに尼さんになる!と思ってしまったり。またある時にはパン屋になるかなーと思ったこともあった。
幸か不幸かパン屋にはならず、違う道に進んだのだが、もしパン屋になるならルヴァンに紹介しようか、と甲田氏の知己である友人が言ってくれたこともあった。あとは紙を漉こうかとか、染色をしようかとか、すぐそういうことを考えた。が、冬の朝の早起きは辛いなあ、などと不埒なことを思い、妄想で終わった(でも夜更かしよりは早起きの方が得意だ)。逃避から始まってはいかん。真っ正面からその道に入る人に失礼極まりないというものだ。
一方で、結果オーライだ、とも思うのだけれど。

今年は縁側のぶどうが豊作の予感なので、できれば自家製干しぶどうを作り、そこから酵母を取ってパンを作ってみたい気がしている。実は去年もそう思い立ち、夏の終わり頃であったか、市立図書館に本書の予約をした。しかし私の直前に借りていた人のところにずっとあったようだ。そのうち、ぶどうは虫にやられて枯れてしまった。
秋が来て冬が来て春が来て夏が来て、本が来たという連絡をもらった。その本は妙に新しかった。返却本ではなくて新しく購入したものらしい。
たいへんだなぁ。

2004年06月22日(火)
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