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■ 線を引く
しばしば行くお店に、餌をもらいに来ている猫がいる。 知人曰く、久しぶりに見たその猫がものすごく痩せていたので心配になって獣医さんに連れて行ったところ、腫瘍(腎臓と肝臓のWパンチ)があるうえかなりひどい貧血だと言われたとのこと。どうしたものか、という電話があった。 とりあえず私も猫の様子を見に行くことにした。
手術を受けさせることも出来るが、貧血がひどいので輸血をしながらでないと無理らしい(輸血用血液を確保するための猫もいるので心配ない、とのこと。心配ない、って……)。仮に手術が成功したとしても、その後をどうするか。術後の猫が屋外にいていいわけもない。 知人は手術を受けさせたいという思いがあるらしく、どうしようどうしたものかと言っている。 お店のオーナーは、見たところ、手術を受けさせてまでというつもりはないらしい。 それはどちらも尤もな思いなのだろう。しかし、片方はただ悶々とし、また片方は意向を伝えることもなく何となくそのまま時間が経っている、という雰囲気にやや苛立ちを覚える。
私は猫が好きだけど、のいに対する態度と、剛田やさびちゃんに対する態度はやっぱり違うんだろうと思う(剛田とさびちゃんそれぞれについても違う)。しかし「(態度は)違う(んだろうと思う)」と書くことはあまり気持のよいことではない。 のいに対して負うている責任と、剛田やさびちゃんに対する責任とでは全く違う。私の中ではのいとそれ以外の猫の間に線が引かれていて、剛田とさびちゃんは線の向こうにいるということだ。 ということは事実だが、そう書くのはよい気持ではない。
あっさり答えを出すなよ。いつまでも迷うなよ。
剛田やさびちゃんが同じ状況になったとしても、私とりー氏はたぶん手術は受けさせないだろう。 のいが同じ状況になったとしたら……いや、そんな状況にならないようにまずは努めるだろう。それからのいの顔を見て、獣医さんと相談して、責任の取り方を考えるだろう。
猫だけじゃなくてきっと人に対しても私は線を引いている。 だけどそれと同じくらいに線を引いてなるものかと思いたい。
2004年05月17日(月)
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