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みんみん
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沖縄行き:第2日目(R58・残波岬)
本来なら座間味へホエールウォッチングのため渡航する予定が、あいにくの高波で中止となった。幸い日程には余裕があるので、明日以降の適当な日に再びチャレンジすることにする。
とりあえず、夕方借りる予定にしていたレンタカーを、午前の配車に変更してもらった。チェックアウトをすませ、昼前にホテルを出発する。
まず最初に泊港まで行ってみた。座間味への船はここから出ているのだ。心づもりとして偵察しておこうという次第。
港のターミナルビルにスーパーがあったので寄ってみる。先日の八重山行きでは完全なパックツアーのため、こういう場所(地元の人にとってのごく日常的テリトリー)に行くことがなかなか難しかった。
生鮮食品売場で目をひいたのはやはり豚肉コーナー。
豚肉が多い。しかも薄切り肉や挽肉ではなくかたまり。あるいは骨付き。あるいは内臓。よく出汁の出そうな。ぺらぺらした薄切り肉じゃだめなんだと言わんばかりにどーんとパック詰めされて並んでいる。置くと音がしそうなボリューム。
他に目をひいたのは、そば類の充実(ゆでうどんやゆでそばのような扱いで沖縄そば−−ものによって呼び名は違うが−−のめんが並んでいる)、豆腐の存在感だろうか。
豆腐は1パックが大きい。料理番組では、材料の分量を示す際、地域性に考慮しなくてはならないというが、「豆腐1丁」というと沖縄ではたいへんなことになる。もっとも、東京と富山でも1丁の大きさは違う。東京では1丁300g入りが標準だが(そして多くの料理番組・料理本でも基準となっていると思われるが)、富山では200gだ。
紀○国屋でも明○屋でもなくごくごく普通のスーパーマーケットなのに、外国製の品物を見かけたことも印象に残っている。このスーパーに限ったことではなく、他のスーパーでもそうだった。肉の加工品やお菓子や日用雑貨などがあたりまえのように陳列棚に滑り込んでいた。
今晩からは名護のホテルに泊まることになっていたので、R58沿いのドライブを楽しみつつ、北上していく。今日しなくてはならないことといえばホテルのチェックイン(とホエールウォッチングに関する確認の電話)だけなので、地図を見ながら適当に走っていく。
R58は片側4車線の大きな道路だ。富山にはこんな大きな道路はないので運転していてちょっと緊張する。車の量も多い。でも飛ばしている車はあまりいなくて、速度遵守で皆さん流れているという印象だ。
Yナンバーの車を初めて見た。車のナンバープレートの「あ」とか「て」とかいうひらがな部分に「Y」のアルファベットが付いている。米軍関係者の車を意味する。ぴょんちゃんは横浜出身なのでYナンバーの車はよく見かけたそうだ。
だんだん街の雰囲気が変わってきた。「北谷(ちゃたん)」だの「嘉手納(かでな)」だの、ニュースで名前を耳にしたことのある地名が見える。日本だけれど日本ではない場所。
読谷(よみたん)村・残波岬の方へまわることにした。
−−−海の色がちがいます。
−−−海とぴょんちゃん。
この時すでに「釣りしたーい」と叫んでいたような。
−−−風に吹かれまくる人(撮影:ぴょんちゃん)。
こんなにいいお天気でも、波が高くて船は出られない。
近くの公園にはヤギの親子やにわとりたちがいた。昨日君の友達を食べたばかりだよ・・・子ヤギはとてもかわいかった。
再び国道に戻るようにして、途中でお昼ごはんを食べる。ぴょんちゃんはいろいろ入った幕の内、私はスミ汁定食。スミ汁というのはイカスミ汁の意である。真っ黒なおつゆの中に白い(黒っぽくなっているけど)イカの身が入っている。食べるともちろん歯は黒くなる。ちなみにメニューには「ナカミ汁」というのもあった。ナカミ汁というのはイカのはらわたまるごと入れた汁物である。これもおいしそうだ。ナカミはおそらく「中身」だろう。とってもわかりやすい名前。
読谷村より名護まで、本島北側の海沿いにはリゾートホテルが多い。今日宿泊するホテルもその中の1つ。小さな半島が全てホテルの敷地になっている。
チェックインして部屋に落ち着く。しばらくはここが私たちの「家」。
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ホテル内のライブラリーに行って借りてきた本は、沢木耕太郎『若き実力者たち』(文藝春秋、1973)と、田辺聖子『姥ざかり』(新潮社、1981)の2冊。
『若き〜』はたぶん沢木の初めての単行本。『深夜特急』を読んだ時に著書をまとめて読んだが、なぜかこの本の記憶はない。たぶん読んでいないのだろう。
この人のルポルタージュの、ちょっと悪趣味な−−なんと表現したらよいのだろう、気味悪いというか取材対象に対する斜に構えた見方というか居心地の悪さというか、そんなもの(もちろんそれらが魅力ある切り口となっていることは言うまでもない)を、久しぶりに読んで思い出した気がした。
田辺聖子は、出発前にたまたまテレビで話しているのを観て、なんやらかわいい人だなあと思って気になっていたため。単行本は小学生の時にわけもわからず読んだことがあるくらい(「カモカのおっちゃん」のシリーズとか)。それから『暮しの手帖』で連載されていた『乗り換えの多い旅』は印象に残っていた。
村上春樹訳、フィッツジェラルドの『マイ・ロスト・シティー』(中公文庫)もあり、これも借りてこようかと思ったけど、こういう場所でフィッツジェラルドを読むというのはいかにもすぎるような気がしてやめた。
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夕食後、座間味のマリンショップへ再び電話。
相変わらず波は高いそうだ。というわけでホエールウォッチングツアーは明日も欠航となる。本当に会えるのか?クジラ!
2003年02月20日(木)
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