酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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| 2005年03月12日(土) |
『天使の梯子』 村山由佳 |
夏姫は、教え子と再会し付き合うようになる。彼は8歳年下の男の子・慎一。亡くなった姉・春妃が愛した歩太と同じ年の差だった。慎一は、夏姫と歩太の絆に嫉妬し、苦しみ、そして・・・
歩太は私だ。歩太の気持ちが痛いくらいに手に取るようにわかってしまう。そして夏姫のような存在がいる。愛する人を亡くした人間は、遺された人間は、その喪失感と戦いながら生きねばならない。先に逝ってしまった人のぶにまで生き続けなければならないのだ。生きることは苦しい事、哀しい事の連続。だから自分の好きな事や幸せだと感じる事を慈しむように大切にする。それはきっと本能。 泣きました。なんだか最近こういう愛する人を失った人の物語をよく読んでいる気がします。読めるようになっただけ、時間が経ったということなのかもしれないわ。失わずに生きることは不可能。失って、それでも笑顔を忘れずに生きていきたい、そう心から感じさせてくれる物語でありました。すがすがしい。
「後ろばっかりふり返らないで、いいかげんに前を見たほうがいいとか何とか − ボクみたいなのがまわりからいろいろ言うのは勝手だケレドモ、そんなに簡単にいくものじゃあないしネ」 「結局、忘れるというのは本人にしかできないことダカラ」
『天使の梯子』 2004.10.31. 村山由佳 集英社
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