酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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| 2005年03月11日(金) |
『天使の卵』 村上由佳 |
歩太は19歳の予備校生。目指すは美大。ある日、満員電車で出会った女性に心惹かれる。その彼女は8歳年上の精神科医で歩太の父親の担当医だった。彼女に焦がれ、彼女を手に入れた歩太だったが・・・
一途に人を恋しいと想う。そんな気持ちは人生で何度抱けるものなのかしら。愛して手に入れて永遠に失ってしまう。なんだか自分の人生をそこに見るようで胸がきしきし痛かったわ。それでも愛した事を悔やみはしない。愛こそすべて、そう心から思い続けたい。
どれほど大切にしても、どれほど愛しても、結局「死」には追いつけない。そのことが僕にはもう、いやになるほどわかっていた。死を悼み、悲しむのは、遺された者だけだ。どれだけ涙を流しても、死者には届かない。逝ってしまった者と遺された者とは、永遠に分かたれたままなのだ。「死」というその一瞬を境にして、その先は − 未来永劫。
『天使の卵』 村上由佳 集英社文庫
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