酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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| 2005年02月20日(日) |
『さまよう刃』 東野圭吾 |
長峰重樹は、亡くなった妻が残した一人娘・絵摩を溺愛していた。高校生になった絵摩は父にねだって買ってもらった浴衣を着て、友達と行った花火大会の帰りに行方不明となる。そして発見された娘は、彼女を拉致した少年たちによって心も身体も壊され死んでいた。たった一人となってしまった父は・・・
はぁ、とてつもなく「すごい」物語です。登場する加害者の少年の悪魔(モンスター)ぶりに怒りを覚える人は多いことでしょう。私は読んでいくうちに「殺せ、殺せ(加害者の少年を)」と本気で思いましたもん。確かに法律で犯罪を犯した少年は守られているし、それをリンチで裁くことは許されないこと。でも「そんな馬鹿ども殺してしまえ」・・・そう思わずにはいられないわよ。もしも彼らにふさわしい罰が法律で与えられることとなろうとも、残された遺族の心はどうにもなりはしない。そしてたとえ己が復讐を遂げたとしても壊された心は元に戻りはしないですね・・・。いったいどうすればいいのでしょうか。哀しくて辛くて心が揺さぶられる物語でした。
不意に人間が生きていることの意味がわかったような気がした。それは単に食べて呼吸しているだけのことではない。周りの様々な人間と繋がり、いろいろな思いをやりとりしているということなのだ。いわば蜘蛛の巣のような網の目の一つ一つになることだ。人が死ぬということは、そんな網から結び目が一つ消えることなのだ。
『さまよう刃』 2004.12.30. 東野圭吾 朝日新聞社
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