酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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| 2005年02月10日(木) |
『九月が永遠に続けば』 沼田まほかる |
水沢佐知子は、別れた亭主の再婚相手・亜沙美の連れ子のボーイフレンドと付き合っていた。自分から愛する夫を奪った亜沙美への自虐的な面当てだったかもしれない。その男が事故死(殺人?)し、愛する息子が忽然と消えてしまった。これは罰なのか? 罠なのか?
噂ではアノ桐野女史が絶賛したとか。そう言われてみれば内容の厳しさは桐野テイストに近いかも。これは第5回ホラーサスペンス大賞受賞作品で、作者さんは大人の女性らしい。こういうきわどい内容を描ききるには、ある程度の年齢や人生経験がないと難しいだろう、と思った。でも、どうしたってこのテの作品は書く人も映像を意識しているだろうし、読む方も映像を想像しながら読んでしまう。桐野女史の『OUT』すら映像化した放送業界は、この内容ですら映像化するんだろうなぁ・・・。なかなか問題作。より過激なものを人は求めるのか。 なぜそのことを考えてやらなかったのか。自分自身がその年齢だったときには、平静を装ったうわべの下で、ほんの些細な出来事のひとつひとつに心が引き攣り、<性>に対する病的な憧れや恐れやおさえきれない衝動がいつも渦巻いていたではないか。
『九月が永遠に続けば』 2005.1.25. 沼田まほかる 新潮社
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