酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2004年12月16日(木) 『記号を喰う魔女』 浦賀和宏

 安藤裕子(中学生)の同級生・織田が「安藤さん、さようなら」と声をかけて飛び降り自殺をした。左小指が欠損していた織田は学校一美しく優秀な少年だったのに。織田に恋していた坂本は安藤を恨む。そして織田の遺言で織田の自殺の瞬間に居合わせた天文部の少年・少女たちは、住人が10人も満たない角島へ招待されるが、そこは・・・

 ぎゃー。これはいかがしたことかぁぁぁ。うー、安藤直樹シリーズは元から問題作ではあったけれど、ここまで書くか?>浦賀和宏 これって私のようなマニアには‘たまらない’物語の運びだけど、引く人はものすごく引いて二度と浦賀作品を読めないかも(苦笑)。
 あの安藤裕子が中学生で既にここまでの魔物であったのかと、背筋が冷たくなる。ゾクゾクゾク。あまり核が見えなかった安藤裕子が私の中でハッキリしたイメージとなりました。いや、強烈過ぎ。ただ今まで語られた安藤裕子の状況から、安藤裕子がこうなってしまったとは考えづらく。生れ落ちたときから魔性だったのだろうか? 母親のことくらいで安藤裕子がめげるとも思えないんだけどなー。

「強い肉食獣は美しいよ。美しくない生物は淘汰される、それが自然の原則。にも拘わらず、本来死ぬべき弱い人間が、文明の近代化の結果で、どんどん生き残ってしまう。弱いことは醜いことなの。醜いことは罪なのよ。醜い女と醜い男がまぐわって醜い子供を産む。この国はいらない人間が多すぎるの。戦争に負けて、白人に侵されて、野蛮さを忘れた日本人は醜いよ。そしてそれを自ら打破しようとしない。システムの奴隷と化している。醜い人間に生きる資格なんて、ないのよ」

『記号を喰う魔女』 2000.5.5. 浦賀和宏 講談社ノベルス



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