酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2004年12月15日(水) 『とらわれびと』 浦賀和宏

 安藤直樹の友人・飯島鉄雄の父親が殺された。ナイフで一突き。黒のレザーパンツに革ジャン、セミロングの女と一緒にいるところを目撃されている。安藤と喧嘩別れしていた金田忠志は、金田妙子という謎の存在に悩まされていた。その女は妹で、飯島の父が殺されたときに一緒にいたと言う・・・? 安藤直樹の恋人(?)穂波留美は友人の森山亜紀子の弟が殺され、腹の中を掻き出されていた事件を追いかけはじめるが、そこには・・・

 今回のテーマには‘性同一障害’。女になりたかった戸籍上・男たちが殺され、腹から中味を描き出される。まるでその中の胎児を探し出すかのように? 
 今回、安藤君の幼馴染の金田くんがパカパカ音を立てて壊れていきます。あぁ、金田くん、そのまま行っちゃうと帰ってこれないよ?と声をかけながら読み進めました。事件のつながりや動機がひと筋縄ではいかないところも安藤直樹シリーズならでは。このシリーズはどんどん残酷になっていっている気がする。どこまで行くのか。浦賀和宏。

「ふふふふふッ。可笑しいね。みんなみんなそんなセックスやらジェンダーやらに翻弄されて。人間を男だとか女だとか、単純な二分法に集約させないと気が済まないんだから」

『とらわれびと』 1999.10.5. 浦賀和宏 講談社ノベルス 



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