酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2004年12月06日(月) 『アイムソーリー、ママ』 桐野夏生

 星の子学園の保育士だった美佐江は、お気に入りの稔が18になり卒園したのを機に同棲に誘い込む。美佐江は44歳だった。そして今、稔は42、美佐江は67になっていた。ふたりで焼肉を食べに行き、かつて星の子学園にいた女に出会う。松島アイ子。娼婦の置屋で育った奇妙な少女だった。アイ子に再会したばっかりにふたりは・・・

 松島アイ子という女と彼女に巻き込まれる人間達の物語。生まれ育った環境のせいか、生まれ持った性質なのか、アイ子はとんでもない思考回路の持ち主。その場しのぎで生き、罪の意識を持たない。アイ子なりの生きる智恵だったのかもしれない。ただ否応なく巻き込まれる人間たちは運が悪かったとしか言いようがないのだろうか。アイ子の極悪非道さが不気味に小気味いいほどだったけど、運が尽きたとき、面白さ半減。悪ならとことん悪を! 桐野さんにしては甘い終り方でした。桐野さんならばもっと残虐に終れたはずなのに・・・残念!

 「畜生!」。アイ子は吼え、紙を投げ捨てた。裏切り者は近くにいたのだ。

『アイムソーリー、ママ』 2004.11.30. 桐野夏生 集英社



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