酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2004年11月18日(木) 『禁断』 明野照葉

 依田邦彦は親友の死(他殺)について調べる。調べていくうちに逃亡者のようにひっそり生きている女の存在にぶち当たる。名前をいくつも使い分けている翳のある女。友人の前園芳香は、ストーカー被害者ではないかと推理する。彼女の本当の名前を知り、彼女に接するうちに彼女に惹かれてしまう邦彦なのだが・・・

 うーん、こういうテーマを持ってこられましたかー。やられた。絆について文中で何度も触れられていますが、血は水より濃いのか、薄いのか。考え込んでしまいました。ただ、やはり人間性がどこまでも顔を出すものなのではないかと。自分中心にしか考えられない人間というものの醜さを痛感しました。
 特に美郷。いい年をしたオバハンがなにやっとんやー、と本気で憐れんでしまうほどの克明な描写(苦笑)。義明に関しては認めるとか認めないではなく、ありえることだと。このパターンは古来より表に出にくいだけでたっくさんあるのでは、と暗澹たる思い。
 私的にストーリーを追いつつ、エンディングを想像するのですが、ヒロインの自作自演でオチるのでは?と。大きく外してしまいました。

 いくら心で打ち消してみても、自分の皮膚感覚が納得しない。

『禁断』 2004.12.10. 明野照葉 小学館



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