酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
DiaryINDEXpastwill


2004年11月14日(日) 『四日間の奇蹟』 浅倉卓弥

 如月敬輔は留学先のオーストリアで左手薬指の第一関節から先を失った。偶然、日本人の親子連れが巻き込まれた事件で犯人に立ち向かった挙句のこと。有望視されていた敬輔のピアニストとしての道は閉ざされてしまった・・・。その時に両親は殺され、残された15歳の少女・千織は知的障害者。皮肉な事に一度聞いた旋律を忠実に記憶できるサヴァン症候群。如月は千織にピアノを教え、さまざまな場所で演奏し、慰問する。そして山奥の診療所で起こった奇蹟とは・・・

 第1回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞金賞受賞作で東野圭吾さんの名作に似ていると聞いていたため、なんとなく読みそびれていました。いや、でも、しかし読んで良かった。泣けました。
 ただこれは決してミステリーではありません。心に優しいファンタジーと言う感じだかと。誰かの何かに似た設定ということもタイシテ気にならない文章の良さがありました。奇蹟はきっとほんのわずかの時間だからこそ奇蹟なんだろうなぁ。しみじみ。

 思い残すことは、ないってこと?
 そうではないわ。たぶんそんな人、どこにもいないと思う。未練なんていっぱいあるわよ。

『四日間の奇蹟』 2003.1.22. 浅倉卓弥 宝島社



酔子へろり |酔陽亭酔客BAR
enpitu