酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2004年11月13日(土) 『さよなら、スナフキン』 山崎マキコ

 大瀬亜紀は三浪の女。大学の農学部に通っているが、どこにも自分の居場所をみつけられないで生きている。亜紀の部屋に転がり込んでいたクラスメイトの川本マユミが出て行って、引きこもりがちになる。これではイケナイと己を叱咤激励し、アルバイトの面接に行く。そこの編集プロダクションのシャチョーに気に入られ、めでたく採用。はじめて自分の居場所を見つけた気分で、亜紀はシャチョーの求める事を必死でこなそうとするのだが・・・

 スナフキンに会えなかったら、わたしがスナフキンになればいい・・・「ムーミン」に登場するスナフキンはカッコよさの象徴ですよね。一人で凛と立ち、人を救う大きさ温かさを持つ。そんなスナフキンを求め続けた亜紀が出会ったシャチョーは決してスナフキンじゃない。
 この物語を読んでいて、自分の中に亜紀もいるし、シャチョーもいるよなぁと感じてしまい、のめりこんで読みました。不器用ながら必死に愛を求めて尽くす亜紀の姿は好き。とってもカッコ悪いけれど・・・。うん、でもとても好き。

 世間の労働というものに対する感覚と、わたしの労働に対する感覚には、なんとなく温度差があるなというのは、まえから薄々感じていたのだった。世間の人は、なんでかしらん、仕事に冷めていて、しかもとても愚痴っぽく、やたらと自分の報酬が労働に対して多いとか少ないとか、取り沙汰するようだ。

『さよなら、スナフキン』 2003.7.25. 山崎マキコ 新潮社



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