酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2004年10月02日(土) 『夏の名残りの薔薇』 恩田陸

 沢渡家三姉妹(伊茅子・丹伽子・未州子)は、毎年秋になると山にある沢渡家所有ホテルへ特定の選んだ人間達を招待する。選ばれた招待客たちは三姉妹が個別に主催するお茶会に招かれたり、ディナーでは三人揃って恒例のかけあい物語を拝聴しなければならない。口を挟むなどもってのほか。残酷でグロテスクな彼女達の物語は、いったい本当なのか。嘘なのか・・・?

 いやはや、進化する恩田陸。とんでもない話でしたー(かなり面白いv)! 陸ちゃんの好むクローズドな世界で起こる人間同士の葛藤は読んでいて唸りますよ。そして視点が次々と変わっていくから、また惑わされてしまう。うまい。視点が変わると主人公と脇役も代わるのだけれど、それでも魅力的な桜子。素敵(ため息)。
 読み終わって感じたことは、現実というのは自分にとっては目の前のたったひとつなのだけれども、視点が変わればパラレルになってしまうってこと。あと記憶の曖昧さですかね。記憶は捏造され、改竄されていく。だから生きていきやすいのかもしれないな、なんて。

「だけど、終わりというのは始まりでもあるから」

『夏の名残りの薔薇』 2004.9.30. 恩田陸 文藝春秋 



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