酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2004年08月19日(木) 『慟哭』 貫井徳郎

 佐伯警視は、連続幼女誘拐事件の捜査に難航していた。生い立ちや立場から嫉妬の的になっている佐伯の孤独な闘い。かたや、新興宗教にのめりこんでいく犯人の狂おしいほどの心の叫び。
 ふたつの物語が錯綜し、事件の真相が語られるとき・・・

 すごいなぁ、貫井さん。10年以上前の貫井さんのデビュー作を再読しました。展開を知りつつ読んでいても興奮させられてしまいました。新興宗教の描写がとてもリアルで、心に闇や空洞を抱える人が、つい新興宗教にのめりこんでいく気持ちがわかる気がします。
 タイトルの慟哭は、もうまさに登場人物の慟哭なのだなぁと思います。悲劇の連鎖と言うか、悲劇に遭遇した人の心をどうやって救ってあげたらいいのだろうと考え込んでしまいます。

 だが彼は信じた。信じたいがために信じたのだ。

『慟哭』 1999.3.19. 貫井徳郎 東京創元社文庫




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