酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2004年08月20日(金) 『木曜組曲』 恩田陸

 うぐいす館、瀟洒な洋館に今年も女たちが集まってきた。木曜日を挟んだ3日間を、4年前に亡くなった(自殺?)作家・重松時子を崇拝する女たちが5人で過ごす。酒を呑み、美味しい料理を食べ、時子を偲びながら。今年は予期せぬ豪華なカサブランカの花束が届けられた。差出人はフジシロチヒロ。意味深なカードとともに・・・。時子の身の回りの世話をしていたえい子(時子のデビュー当時からの担当編集者)。時子の異母姉妹の静子(出版プロダクション経営)。静子の母方のいとこの絵里子(フリーライター)。時子の姪の尚美(流行作家)。尚美の異母姉妹のつかさ(純文学)。奇しくも物を書くことを生業とする女たちばかり。そして、爆弾発言。
 「あたしが時子姉さんを殺したんだわ」

 強い女たちに逢いたくて、読み返した木曜組曲。5年前に読んだ時よりも面白かった。女たちがタフだから。そして陸ちゃんの物を書くことに対する姿勢も感じることができるし、呑むこと食べることへの愛情もよくわかって興味深いです。
 6人の女たちは、それぞれ強烈な個性を放ちますが(時子も入れて)、私が一番好きな女性は静子。静子の言動にはものすごく勇気付けられる。憧れです。
 物語は時子の死が自殺か他殺かと推理されます。当時、隠されていた秘密が暴かれ、推理は二転三転。そして5人がたどり着いた衝撃の真実とは・・・。それは読んでからのお楽しみ。

 静子は大人だから、自分の敵や気に食わない人物に意地悪したり、露骨な態度を取ることはない。彼女は、そんな無駄なエネルギーは使わない。そういう相手を自分の世界からスパッと遮断することができるのだ。自分とは合わない、この人とは関わりたくない、そう思った瞬間に全てを切り捨ててしまう。

『木曜組曲』 2002.9.15. 恩田陸 徳間文庫



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