酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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| 2004年06月27日(日) |
『クラインの壺』 岡嶋二人 |
上杉彰彦が書いた「ブレイン・シンドローム」が、イプシロン・プロジェクトの目に留まり、ゲーム化されることになる。彰彦はモニターとしてクライン2という機械に入り、ゲームをシュミレーションすることになる。クライン2は全身でゲームを疑似体験できるという優れものだった。倍率の高いテストをパスしてきたアルバイト高石梨紗という美人とともに嬉々として自分のゲームをモニターする彰彦。しかし、彰彦は捩れた世界に迷い込んでしまい・・・
すごかった。こういう作品を読んでいなくて「趣味は読書です」なんてよくも恥ずかしくなく言ってきたもんだ。読了後、穴があったら入りたくなってしまった。 この『クラインの壺』は、1989年が初版。この作品を最後に岡嶋二人さんが一人と一人に戻っていったそう。さまざまな情報を見ていると、この作品はほぼ井上夢人さん作品に近いらしい。一世を風靡したふたりのコンビが解消される、そのことが物語のラストに暗喩されている気がした。穿ちすぎかしら。 今でこそ、こういうオチは多いけれど、1989年に読んでいたかった。もし、1989年の私がこれを読んでいたら、きっと読書体験が変わっていたはず。それくらいインパクトの強い面白い物語でした。万が一、未読の方は是非。オススメ。
「はじめのところから始めて、終わりにきたらやめればいいのよ」
『クラインの壺』 1989.10.25. 岡嶋二人 新潮社ミステリー倶楽部特別書
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