酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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| 2004年06月14日(月) |
『白鳥異伝』 荻原規子 |
橘の一族の娘・遠子は、拾われた子供・小倶那(おぐな)と双子のようにして育った。ある日、都から来た皇子に見出され、小倶那は皇子の御影人となるべく、郷を出ていくことに。遠子は、小倶那に女にならず待っているから帰って来てと約束を取り付けるが、数年後、小倶那は生まれた郷を焼き滅ぼす禍々しい者となりはてていた。遠子は、忌むべき力を持った小倶那を殺すために何者にも「死」をもたらすという伝説の勾玉を求めて旅立つのだが・・・
勾玉三部作の二作目です。前作以上にスケールアップ。登場人物も魅力的。悲劇の主人公・小倶那と飄々としたプレイボーイの菅流(すがる)。このふたりが両極端で面白かった。でも私が好きなのは、七掬(ななつか)v 出生の秘密に翻弄される小倶那は、痛々しい悲劇の主人公。その彼を想い慕い続ける根性娘・遠子。この遠子が子供から女へと変貌を遂げるさまも素晴らしかった。男と女の愛の育ち方・深まり方は本来こうあるべきなんだと思います。 忌むべき力を持ってしまった小倶那を倒すために、遠子が散らばった勾玉を菅流とともに探す旅にもじーんっとくる。あきらめないことが大きな力になる。そんなことまで教えてくれる物語。最高にオススメですv
「生き方は自分で選びとるものだ。他人に口は出せない。文句を言ってもしかたないさ」
『白鳥異伝』 1996.7.31. 荻原規子 徳間書店
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