酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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| 2004年06月10日(木) |
『スペース』 加納朋子 |
駒子は、瀬尾さんに妙な瞬間にしょっぴかれ(?)、見逃してもらう別れ際に叫んだ。また読んでいただきたい手紙がある、と。そして駒子が瀬尾さんに送った手紙とは、駒ちゃんからはるちゃんへのたくさんの手紙の束だった。その手紙の中に隠されていた謎とは・・・。
この物語は、『ななつのこ』『魔法飛行』に続く、駒子シリーズ第三作。珍しく《はじめに》で加納さん御自身からできれば前の作品を読んで欲しいと書かれています。この言葉の意味が読み終わった後にわかります。前の作品を踏まえて読めば面白さ倍増v 「スペース」と「バック・スペース」と物語がリバーシブルになっていて、「バック・スペース」を読んで「やられたぁ〜」と手をあげました。降参です。うまいなぁ。そして私は「バック・スペース」の方が好きです。ぞくぞくするラストなので。人は自分の居場所を探しているものだよなぁと思います。なにを書いてもネタバレしそうなのでこの辺りでやめておきます。三作まとめてオススメ。
生きていればきっと、逃げ出すよりほかに道がないときだってある。遮二無二突進していって、その結果無残に激突するよりは、回れ右して逃げ出す方がずっといい。 一度打ち込んだ文字を、バックスペースキーでなかったことにしたっていいじゃないか? 少しぐらい、後戻りしたっていい。やり直したっていい。まったく別な、新たな文字を打ち込むことだってできる。 そう思っていた方が、人生どんなにかラクだろう。
『スペース』 2004.5.28. 加納朋子 東京創元社
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