酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2004年05月02日(日) 『犬飼い』 浅永マキ

 糺(ただし)は、電話番号の記されていないアルバイト募集に興味を惹かれ、昔懐かしいのどかな田舎にやってきた。勤め先は、井向(いむかい)家。そこは村人から守り神と呼ばれているらしい。井向家には少女の風貌をした弥勒。その妹の美しい夏央吏(かおり)。執事の修江。当主の車椅子の女性がいた。糺は井向家のしきたりや秘密にどんどんど踏み込み、迷い込んでいくのだが・・・。

 うーん。題材がそこそこに横溝チックなのだから、こういう伝奇ポルノで終らなければよかったのに。なんだかもったいない気がしました。糺が巻き込まれる非現実的な淫靡な世界だけって言うのがどうも食傷してしまう。姉や当主や地下牢の存在をもっと書いて欲しかったな。

「ちっとも、めでたし、めでたしで終るお話なんかじゃないわ。あたしなら、王子様のキスもいらない。百年後の目覚めもいらない。いっそ世界が終るまで、体が朽ち果ててしまうまで、ずっと眠り続けて、死んでいけるほうがいいな」

『犬飼い』 2004.3.30. 浅永マキ 学習研究社 



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