酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2004年03月21日(日) 『壬生義士伝』上 浅田次郎

 慶応四年旧暦一月七日夜更け、大阪・盛岡南部藩蔵屋敷に満身創痍の侍がたどり着いた。侍の名は吉村貫一郎。貧しさゆえ口減らしのため自殺をはかった愛妻しづと子ども達に金を稼ぎ送るためだけに、南部藩を脱藩。人を殺し、殺し、新選組の隊士となった。守銭奴と蔑まれるほど金に執着し、その全てを家族に送っていた。そして、死を目前にしら吉村は命乞いをするのだった。蔵屋敷差配役・大野次郎右衛門は、吉村と竹馬の友。しかし、大野は吉村に「腹ば、切れ」と言い捨てるのだった・・・。

 新選組を違う角度から読んでみるということの面白さを感じました。時代が大きく動いたときに、ただひたすらに家族のためだけに生きた男の物語。全てに秀でた男が、貧しさに命をかけて戦う姿に本当の「誠」を感じます・・・。

 貧と賎と富と貴とが、けっして人間の値打ちを決めはしない。人間たるもの、なかんずく武士たる者、男たる者の価値はひとえに、その者の内なる勇気ときょうだとにかかっているのだ、とね。

『壬生義士伝』上 2000.4.30. 浅田次郎 文藝春秋



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