酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2004年03月09日(火) 『水底の森』 柴田よしき

 刑事・遠野要は、顔をつぶされた殺人事件に遭遇。その家の主は、高見健児・風子夫妻だったが、死体の男は背丈からして高見ではなさそうである。その部屋ではフランソワーズ・アルディの「もう森へなんか行かない」というシャンソンがエンドレスにかかっていた。遠野が調べるうちに、死体の男は高見健児であるが、風子と暮らしていた高見健児ではないことが判明。いったいこれは・・・。遠野はかつて身体をかわしたことのある風子を追いかけ、ある出来事から風子と逃避行をはじめてしまうのだった・・・。

 遠野が事件を追う過程で、風子という女性の数奇な人生が浮き彫りにされていきます。自分の確固とした意思がなく、ただひたすらに流され、愛されることを求めた女。飛びぬけた美貌を持たぬ風情は男の保護欲をそそり、一度関わると虜になってしまう。こういう魔性の女って言うのは、もしかすると絶世の美女ではないのかもしれないな、と思わされました。
 ここまで事件が起こる女性と言うのは、呪われてる。まぁ結局そこを楽しんで読んだのですけれど・・・。こういう物語は面白いけれどなんだか少し暗さをひきずってしまいます。

 死に別れってのはだめなんだよ、想い出が消えないから。

『水底の森』 2004.2.29. 柴田よしき 集英社



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