酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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| 2004年03月04日(木) |
『雪ひらく』 小池真理子 |
「ほの暗い部屋」 美枝子は洋服のリフォームや仕立てをして生計を立てている。鬱蒼とした竹のおいしげる、ほの暗い家で。この家に暮らして八年。さまざまな男たちが通り過ぎていった。44歳。友人には男に都合のいい女、と言われようと美枝子はそんな生き方をさりげなく貫いていくのだった・・・。
6つの恋愛玉手箱、まさにさまざまな女の情念が6つぎっしりみっしり詰まっていました。秘めた関係を断ち、故郷へ帰る女。愛してくれる旦那だけで満足できない女。死ぬ間際まで男との恋愛を繰り返す女。40歳、50歳、60歳、・・・いくつであろうと女は女。恋愛は若い時代の特権ではなく、むしろ年を重ねただけ重く深い恋愛を堪能できるのかもしれません。恋する悦びと哀しみを知り抜いた女たちの恋愛物語は素敵でした。小池真理子さんの物語では一番お気に入りとなりました。
このひとときが永遠のものであってほしい、と願いながらも、心の底ではそんなことはあり得ないとわかっている、男と女のそんな切なさこそが好きなのだ。好きで好きで、たまらないのだ。
『雪ひらく』 2004.1.10. 小池真理子 文藝春秋
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