酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2004年02月15日(日) 『黒苺館』 水木ゆうか

 俊子は娘りさ子の嫁ぎ先に向った。りさ子が看護士としてケアしていた女性が亡くなり、その後添えとして矢内原家に嫁いだのだった。古びた煉瓦塀の向こうにうっそうとした木々。威圧するような矢内原邸。りさ子が妊娠。そして忍び寄る不気味な気配。俊子はりさ子を守りきれるのだろうか・・・。

 うーん、心理的に圧迫させるホラーですね。母娘の情愛が軸になっているだけに、カタストロフィの残酷さが際立ちます。私的にはけっこう好み。こういうだらだらすすむ恐怖も悪くない。
 りさ子はプロの看護士だったのに、矢内原家の女性達にたぶらかされ、恐怖の世界へと足を踏み入れてしまいます。このりさ子の迷いやコンプレックスは母への愛情の裏返しというところがものすごくせつない。母と娘の絆というのは悲しくせつないなぁ・・・。

「正しいとか正しくないとか、そんなことからなにが生まれます? たとえ新たな不幸を呼ぶことがあっても、ね?」

『黒苺館』 2004.1.22. 水木ゆうか 講談社



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