酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2004年02月05日(木) 『七度狐』 大倉崇裕

 前作『三人目の幽霊』で、〈季刊落語〉編集部勤務を命ず―という辞令を受けた間宮緑。落語と無縁だった緑も1年が過ぎ、天衣無縫な上司・牧のおかげで(?)落語に造詣を深めていく毎日。そんなある日、北海道へ行ってしまった(笑)牧から、「静岡に行ってくれないかな」と指令される。牧のおかげでてんやわんやの緑だが、相変わらず天性の巻き込まれがた気質ゆえ単身静岡の片田舎にある杵槌村(きねつちむら)へ出向く。今回の牧からの指令は、春華亭古秋(しゅんかていこしゅう)一門会の取材。しかも古秋の七代目を指名するという一大事さ!
 六代目、古秋の三人の息子ー古市(こいち)、古春(こはる)、古吉(こきち)
の熾烈な跡目争い勃発である。しかし何故こんな人里離れた田舎で執り行われるのか? さまざまな疑問を抱きつつ、取材をはじめる緑を待ち受けていたのは『七度狐』を見立てた連続殺人だった・・・。

 面白い! 膝をぽんっと叩いてそう唸らされる出来のよさでした。落語ものと言うのは、難しいと思います。北村薫さんの代表作がどうしても頭に残っている方が多いかと思いますので。しかし、前作の短篇集『三人目の幽霊』でも、爽快に楽しませてもらえましたし、今回のどんでん返しの連続は小気味いいですね。ラストがかなりお気に入りで、超オススメですぅ〜。はーい、おあとがよろしいようで。

『人を泣かすのは簡単だ。怒らせるのもな。だが、笑わせるのは難しい』

『七度狐』 2003.7.30. 大倉崇裕 東京創元社



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