酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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珠緒は×1の子持ち。京都祇園のホステス相手に‘ハンガー屋’をやっている。店舗を持たず、クラブやバーの店先を借りて洋服を格安に売りさばいている。見る目を持つ珠緒の吊るす洋服はホステスたちに人気が高く、赤字を出すことなく生計はたっている。ある日、世話になった女性から男の行方を捜して欲しいと頼まれる。引き受けた珠緒の行く先々で耳にする‘烏女’の噂。「烏女がでるとな、必ず人が死ぬねんぇ」・・・それはただの都市伝説なのか、それとも・・・。
『子盗り』『プルミン』と読んできましたが、今回の『烏女』が一番面白かったです。京都祇園を舞台にすると都市伝説も‘烏女’になる。黒いドレスに黒いヴェール。その正体は老婆とも男とも噂されている。その祇園に微妙にマッチしている味付けがよかったです。 しかし、世の中にはさまざまな商売があるものですね。‘ハンガー屋’なんてはじめて知りました。物語で語られている商売のからくりを読んでいると、やはり商売上手は頭脳勝負なのだなぁとつくづく思います。目の付け所、とでも言いましょうか。女がひとりで(もしくは子供を抱えて)生きて行くと言うことは、やはり根性据えていかねばならないと言うことでしょうねぇ。
着飾ることと着こなすことは違う。そんなことは、珠緒が一番よく知っている。どんなに高い服も、着こなすだけの中身がなければ、ただ躯に布を巻きつけているのと変わらない。着こなすには、年季と経験、技術が必要なのだ。つまり「洗練」とはそうしたことを重ねていくことをいう。
『烏女』 2003.12.20. 海月ルイ 双葉社
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