酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2003年12月18日(木) 『愛読者』 新津きよみ

 仁科美里は、坂井美佐のペンネーム。駆け出しの推理作家だが、それだけでは食べて行けないので、雨宮麗と言う別の名前でポルノ小説を書いている。美里は、あるエッセイで昔、図書館で知り合った上級生、柚子という女性との出会いが作家へのきっかけだった深く考えずにと書いた。その柚子から連絡が入り、執拗に追いまわされることになる。そして「愛読者」と名乗るいやらしいファンレター。美里の周りで不気味な存在たちがもぞもぞと蠢き始めたのだが・・・。

 これは、何年か前に牧瀬里穂さんと川島なおみさんでドラマ化されたそうです。見逃しているので、ちょっと残念。作家になった女性が、作家になりたかった人間たちにストーカーされる、なかなか不気味な物語。
 作家になった美里に付きまとう柚子の常軌を逸脱した行動はドラマ化でさぞかしおもしろかっただろうなぁ。見ーたーい。もうひとりの愛読者の屈折っぷりは、理由がわかるとその気持ちがわからないではないと思いました。
 ただ・・・いかにホラーであると言えども、最後の落とし方はいかがなものかと。あまりにもさらりと“それ”を持ち出されたので、うーむぅ、と考え込んでしまった。

 みんな、おとなになった。・・・・・・それはそのとおりだった。でも、それは、自分の感情を顔に出さない訓練が身についた、という意味でのおとな、なのかもしれない。

『愛読者』 1998.12.10. 新津きよみ 角川ホラー文庫



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