酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2003年12月05日(金) 『彼岸花』 長坂秀佳

 六条有沙は、遠縁にあたる亨(あきら)と付き合っていたが、彼は1年前に京都で死んでしまった。彼の死には謎が多すぎた。有沙はポストへ直接投げ込まれた京都行きの新幹線チケットに誘われて(挑んで)京都へ向う。その新幹線の中で融(とおる)と菜つみというふたりの少女と出逢う。話すうちに意気投合し、京都での行動を共にする。しかし、三人はだんだんと互いに不信感を抱きあう。行く先々に現れる幽霊。導かれるように三人が辿り着いた場所、そこは・・・。

 ほー。なかなかぎっしりつまった物語で堪能できました。ホラーとミステリーとカニバリズムとおまけにエロチックさがきちんと融合されていました。ホラー路線に流されないように科学的に検証しつつも、どうしてもどこかに漂い続ける不気味な気配。面白かったなぁ。そしてこの物語に登場する<不思議>はありえることだと私は思っています。

「鬼酔い・・・・・・」
「酔うて浮かれます。鬼の精あふれ、鬼の欲情兆し、やがては、人の肌を喰らいたくなると」

『彼岸花』 2002.6.10. 長坂秀桂 角川ホラー文庫



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