酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2003年06月29日(日) 『ふたたびの恋』 野沢尚

 バカンスで沖縄へやってきたかつての売れっ子脚本家、室生晃一。室生はシナリオ学校の生徒でもと愛人の新子を見かける。偶然のいたずらに動揺する室生。新子は今や飛ぶ鳥を落とすシナリオライターになっていた・・・。
 再会したふたり。新子は室生にシナリオ作りの相談をする。複雑な心持で新子とディスカッションを繰り返し、久しぶりに室生の書き手としての力が甦る。そしてその作品の結末は。ふたりの恋の結末は。

 この物語は、この夏に舞台化されるそうです。かつての恋愛相手との再会がもたらす波紋を大人テイストに仕上げています。やはり夢物語かなと思うけれど、虚構と現実が時々重なる感じを受けます。ありえるかもしれないな、と。
 「恋のきずな」と「さようならを言う恋」も大人の恋愛でいいです。どちらも舞台化、映像化できそうですねv

 酔って絡んでくる人間より、酔わずに絡んでくる人間のほうがはるかに始末に負えないことを私は新子から学んだ。

『ふたたびの恋』 2003.6.15. 野沢尚 文藝春秋



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