イーストウッドの映画は、優等生的である。 減点法でしか批評できないぐらい完成度が高い。ソツがない、と言う方が適切だろうか。 だからつい、アンジェリーナ・ジョリーの顔が怖すぎるとか泣き方が気に食わないとか瑣末なところに目が行ってしまうのだが、相変わらず「人間」の描き方がうまい。 下手すると類型的なんだけど、「いるよなあこういうやつ」と思わせる。 サスペンスに特化した分、いつものイーストウッドより俗情との結託が露骨な気もするが(殺人犯が無駄なく猟奇的で怖すぎ)、「損をさせない監督」の仕事としてはよろしいかと。 「空気を読む」若者は、この母親と同じ状況に置かれたら空気を読んで「息子です」と受け入れるのだろうか。 あまり「親子もの」に弱くない人が見ても母親に肩入れできないかもしれないが、個人が「もっと大きなもの」に立ち向かわねばならないときがある、という恐怖と怒りを想像することはできる。 ただ、最後まで息子の生死が不明で、母親が希望を持ち続ける様は逆にちょっと怖かったりもした。 『ベルセルク』のガッツがむしろ怖いのと似ている。 このへんの落としどころの微妙さは、好みが分かれるだろう。 死んでる方がすっきりはするんだが・・・
どうでもいいけど、フジモトは吉井和哉。
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