「どうしてあなたは綺麗だねと言ってくださらないの? 可愛がってくださらないの?」
という声を内包した言葉を発する雌たち
「どうしておまえは俺を誉めないのか? 格好いいといわないのか?」
という声をない方した言葉を発する雄たち
自分のプライドの高さの何たるかを知らないのだろうか
プライドのためだけに何万人を殺すという事件は毎年のように地球の何処かで起こっている
「あんなやろうが俺より先に出世するのは許せない」と「あいつがなんでだ」と怒りにわれを忘れて、そして人生の目的など何処かに置き忘れている雄どもの何と多いことか。何割かと聞かれれば、5割以上、平均7,8割だろうと答えられるほどに
その雄に向かって、「可愛がって欲しいの」、「構って欲しいの」という思いつきの声をポンと投げ出す雌。湿地帯に火のついたダイナマイトを投げ出すようなものだ、湿り気で消えずいつ爆発するか判ったものではない
何種類の爆発物を投げ出せば気が済むのだろうか
「お金を稼がないから、私は我慢している」、「身長がちょっと」、「もう年だしね、あの人も」、「服のセンスがちょっとねぇ」、「聞いて聞いて、今日ね」、「どうしてそんなことも知らないの」
雄が出世、金銭、地位、名誉、尊敬を獲得するために、本来の生きる意味を忘れて大海から湖に、湿地から砂漠へと変化していくのもさして変わりはしないのだけれど
イエスは「大金持ちは天国に決していけない。針の穴をらくだが通るよりも難しい」と述べた
どうして金を軽蔑せず、名誉に執着せず、地位を部下にして、出世を使いこなさないのだろうか、とうして快楽におぼれず、ペットが何十万匹も殺されているのをみず、外見の劣等感ばかりを言葉で吐き出し、数日数ヶ月のコントロールで終わってしまうのだろうか
どうしてらくだになろうとする どうして肉体の衝動や欲求に翻弄され続ける、それではまるで売春婦のようじゃないか その場の損得でしか動けない売春婦のようではないか
イエスが売春婦をかばったのは、その人間の愚かさをかばったのだろう
その人間の愚かさとは、肉体の行動する現実を指している
けっして抽象概念や知識の受け売りではない
だから、イエスはユダヤ教をさらに良いものにしようと運動したのだ
彼は決して、キリスト教を創設しようとしたのではなかったのだ
過去のイエスたちと同じように
その俗臭たちを愛せよ、と宗教者は言う
その俗臭たちを幸せにする、と政治家は言う
その俗臭たちを陰で支えよう、と技術者は造る
その俗臭たちを表側で支えよう、と芸術者は造る
無邪気にでも真剣にでも、戯れでも真摯であったとしても
ただその方便を探しているのが青春なのかもしれない
個々人の出生、生来の性格、生後の環境等々を換算していく作業かもしれない
ともに、彼らとともに楽しみを見出して戯れていく、その裏腹には宗教観に基づいた神への畏敬が潜んでいる
稚児への想いのような複雑な愛が私の中に潜んでいた
いや、その愛が私の愛し方なのだろう