ものかき部

MAIL │ BBS

「 合理主義の果て −早音�検檗�
2004年03月04日(木)



彼女はただ微笑んでいた。
数学的表示としてではなく、ただ彼女の意思の表れのように観えた。
伝統文化の出身者というだけではなく、女性という属性だけではなく、地上に与えられた数々の関係に束縛されるだけではなく、契約によって強いられる労働としてだけではなく、それら全ての総体としてではなく、ゴールドパープルの唇は両端を持ち上げたのだ。
 その行為が、永遠の命を持ち欲望や所属から解放された彼女に当てはまるかどうか、死すべき存在だった時の習慣の残滓かどうか、見えてはいても観えてはいなかった。

 彼女は、これからもこれからも。
私という個体は、私を統括する「私」や性としての私や、人としての関係性の中の私や、理知聖に踊らされる、欲望や夢や絶望や善悪や趣向を経たその私が、これからも同じ懐疑の霧に包まれるだろう。

 私は彼女を求めるか
 応
 私が彼女を求めるか
 是
 私に彼女を求めるか
 当
 私の彼女を求めるか
 笑
 私と彼女を求めるか
 克
 私 彼女 
 私彼女
 彼女
 如


注記;「微笑(ほほえ)む」、「属性(ぞくせい)」、「契約(けいやく)」、「強(し)いる」、「唇(くちびる)」、「残滓(ざんし)」、「統括(そうかつ)」、「経(へ)る」、「懐疑(かいぎ)」、「霧(きり)」、「是(ぜ)」、「克(かつ)」
注記弐;「死すべき存在」ラテン語で「人間」を指す。ギリシャから起こった合理主義の伝統を念頭にしているので、使用。
「如(じょ)」女に口で、女と口に従う。つまり、巫女(みこ)の神託に従うを意味する(『字統』参照)。これに現代では、「追いつく」や「どうか?」や「その通り」や「〜の様に」、「要するに」の意味がある。彼女が如になるのは前文全ての意味がある。


執筆者:藤崎 道雪 


BACK INDEX NEXT

複製、無断転載、二次配布等を禁じます。
All Rights Reserved©ものかき部

My追加