きよこの日記

2004年02月13日(金) 米原万里『不実な美女か貞淑な醜女か』

タイトルがとても興味深いですね!
私もその手の本だと思って読み始めたら全然違いました。
著者はロシア語と日本語の通訳をしていらっしゃる方です。ときどき、テレビにもコメンテーターとして出演している人ですが、頭の回転が早く、理知的な人だという印象そのままの文章で、通訳ということについて、その難しさ、基本的スタンス、翻訳との違いなどをエピソードを交えて書いています。

この本を読むと、通訳者の華々しい活躍は、ひとかたならぬ努力の賜物であることがわかります。
タイトルの不実な美女とは、話し手の言ったことに対して不誠実で歪曲や誇張があるが、美しく整った訳、貞淑な醜女とは、話しての言うことには貞淑で偽りないが、文としては美しくない訳の比喩です。
もちろん、“貞淑な美女”が理想的なのですが、瞬間的に通訳をしていく中では、理想どおりにいくことのほうが難しいので、スタンスとして、“不実な美女”と“貞淑な醜女”どちらを求めるべきか、ということなのですが、さて、どっちだと思いますか?
また、比喩の場合と直接的に女性のことを言う場合と、答えが違うかもしれないですね。

門外漢にはなかなか想像できないような通訳の世界をわかりやすく示してくれる、という点で、この本は通訳を目指す人が読むととてもいいだろうなあ、と思いました。


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