「もう、風邪は大丈夫? 教頭先生とか、最近元気がないって心配していたから・・・。
僕もねえ、教師を始めて4年間はいつやめようかって、ずっと思っていたよ。校長にもやめるって言いにいったんだけど、あと3年やってみて考えろって言われてね、3年やるころには色んな責任が出てきて、辞めるどころじゃなくなっちゃったけどね。 それに、今辞めても、こんなご時世だから、そうそう就職口なんてないしねえ。」
私は初任者なので、指導の先生がいて、毎週一度か二度、授業を見てもらっていろいろアドバイスをしてもらいます。 言うなれば私は教師でありながらも生徒なのです。
だけど、生徒でありながらも私はもう子どもでもないのが難しいところです。 生徒にやるように、私にやられても、困ります。
冒頭の指導の先生の言葉は、私からの相談を聞きだそうという働きかけなんだろうなあ。 こういう教育相談の切り出し方、初任研でやったよねえ。なんて、とっても居心地悪いです。
ご心配してくださるお気持ちはありがたく頂戴しますが、私はよほど心許した人でない限り、自分の胸のうちは絶対に打ち明けたりできませんので、悪しからず。
「きよこ先生は、朝、学校に来るのが嫌なことある?」 「ええ。ありますよ。って言っても、それは4月当初からなので、今に始まったことではないんですけどね。」 って言ったら、先生、愕然としていた。
私ほど猜疑心が強い人間はそうそういないとは思うけれど、でも、誰にとってもきっと悩みを打ち明けることってすごく重大なことだから、信頼関係がちゃんとできていないと成り立たないよね・・・。
私が指導の先生に対して不信感を抱いているのは、先生が私自身のことを心配して相談を持ちかけたのではなく、指導教官としての責任や保身からの行動だったと思ったからです。 今まで私が本当に困って、アドバイスをもらおうと相談したこともあったんです。 でも、その時に言われた言葉は「まあ、時間をかけてゆっくりやっていくってもんじゃない」と、いうほどのあしらいの言葉でした。 こういうことの積み重ねで不信感が募っているというのに、どうして本音をさらせましょう。
でも、このことは私の今後への戒めとしようと思います。 生徒に対して、保身や義務感から心の内を聞きだそうとするなんて愚かなことをしないように。
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