感想メモ

2011年04月04日(月) 母の遺産  水村美苗

水村美苗 読売新聞連載小説(土曜日) 2010-2011

STORY:
夫・哲夫の浮気を知りながら、美津紀はわがままな母の面倒を見続けていた。母が死んで、遺産が入ることになった時、美津紀の取った行動とは…。

感想:
 読売新聞の土曜日連載小説。挿絵にはいつもあまり興味がないのだが、この小説の挿絵…たまにとっても面白い時があって、つい見てしまうことが多かった。

 小説自体は、母の最期を見守らなくてはならない娘たちの話で、結構シビアな内容なのだが…。

 以下ネタバレあり…






 母は奔放に生きてきたし、美津紀は母や姉に対しても言いたいことがいろいろある立場なのだが、結局頼られて2人を見限ることもできない。母に早く死んでもらいたいような気持ちで毎日を過ごしている。

 夫との間に子供はできず、その夫は本当には自分を愛していないことに薄々気づきながらも、日々の生活に追われてそのことを深く考えずにいる。でも、夫が自分より少しだけ若いくらいの女と浮気をしており、夫に離婚を迫っていることなどを美津紀は夫のメールをこっそり盗み読みしていて知っているのだった。

 母が本当に死んだ時も、夫は海外で女と浮気中。母の死を夫にすぐには知らせる気にはならない美津紀。

 遺産が入って来ると知った時、美津紀は夫と別れて暮らしていける算段を付ける。それでも、この金額では?と迷っていると、姉が自分の遺産を分けてくれると言い、結局丸く収まることに。

 迷惑をかけられてきたと思っていた母と姉から結局は助けてもらった形になるのか…。

 結局哲夫に離婚するということを一方的に突きつける形になったわけだが、哲夫の反応がどうだったのかちょっと気になった。

 そうこうするうちに最終回…。なんと今回の大震災が…。

 そう、人は確かにこういう不測の事態が起こった時に、それまでの日常の何もない平穏さが素晴らしいものだったと気づくのかもしれない。

 何はともあれ、面白く読むことができた。


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