真保裕一 新潮文庫 (2000)2003
STORY: カメラマンとして名声を得た喜多川。どのようにしてそのようなキャリアを積み上げたのか、昔を振り返る。
感想: この小説は5章仕立てだけれど、最初の5章ですでにカメラマンとしての地位を確実にした喜多川が出てきて、そのあと、章を進むにつれ、段々喜多川の年齢が若くなっていく…というちょっと変わった趣向が凝らされている。
それがどういう効果を出すのかは、人それぞれ意見が分かれるところかもしれない。
私もどっちかというと、若いときから順番に読んだ方がスムーズな気もしたが、後ろから読んでいくと、それなりに将来がわかってから読むという形になるから、なるほど、これがあのときの…という感じにはなる。
その時々で喜多川が出会った人物とのエピソードや、その相手の行動の真相が次第に明らかになっていくという設定で、なかなか面白かった。
カメラの手法とかも、私はよくわからなかったけれど、興味がある人には面白いのかも。いろいろな撮り方があるんだなーと感心するのと、プロの世界で生き抜いていくことの大変さは感じることができる。
また、時代も喜多川が大学時代から50歳になるまでの多岐に渡っているので、同じくらいの年代の人だとさらに楽しめるように思う。
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