篠田節子 日本経済新聞社 2009
STORY: ひょんなことから地方に埋もれていた郷土画家・宮嶋哲郎のことを知った橘は、宮嶋の画集を出そうと奔走する。著作権を持つ画家の妻は、生涯夫に献身的であったが…。
感想: 画家である夫を献身的に支え続けた妻…と言えば、美談を想像するもの。最初、橘もそのように思った。宮嶋の一生を知るにつれ、画集を出したい気持ちが募っていくが、著作権者であるプライドの高い妻に拒絶されてしまう。
何とか妻の機嫌を取り、画集を出そうとする橘は、宮嶋の絵を一地域で支えていた頒布会や市の人たちとともに、宮嶋の絵に深くかかわっていくことに…。
そこで明らかになっていく、妻の献身という美談とは正反対の事実…。
妻が夫のすべてを把握していると思ったとき…確かに夫は息苦しさを感じて逃げ出すのかも…。
妻も夫もそれなりに自分の世界を持ち、お互いにそれに対してあまり干渉しない…。そういうのが夫婦円満の秘訣なのかな…とも思わせるような話だった。
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