以前に好きな作家さんで「乙一」(おついち)というのを紹介した のですが,覚えている方はあまりいらっしゃらないでしょう。 過去ログ↓ 2003年3月2日 2003年7月7日
最近は新作の発表がなく,ファンとしては寂しく思っていたのです。 しかし,ネットでは日記のようなものを幻冬舎のWebMagazineにて 公開していたのです。
小生日記というものなんですが, これが面白いんです。 日記とはいうものの,完全に乙一=小生ではなく乙一≒小生 と考えて読まないとどこまでが現実かわからなくなるので注意。 つまり乙一自信の日常が「小生」という姿を借りていろんな経験を していくというあくまでもフィクションのお話です。
ネットでは忘れてばかりで見ていなかったのですが,この度 (といっても7月に出ていたのですが)一冊の本になりました。 嘘ともホントともつかない書き方で「小生」の日常を描いているのですが, やっぱり文章のセンスが魅力で,ついつい読んでしまうんです。
前書きで 「この本を読んでも良いことはひとつもない。この本に時間とお金を 割くのはやめた方がよい。」 と自信を持って書いているのですが,十分楽しめます。
時折,分かる人にしか分からない話題が出てきたり,(JoJoの話とかね) 遮光カーテンを購入した際には,遮光カーテンの巨大ぶりと遮光ぶりに, 「両腕を広げてカミナリを呼ぶガンダルフのように見える。」 とか変な喩えが出てきたりするんですけど,そこがまた面白い。
後書きでも,「手抜きだらけの本」と自らいうのですが, 楽しませてもらったので別にこの本を手にとって後悔はありません。 中味ももちろんですが,文章の書き方に惹かれて読んでいるのですから。
それは作家さんに限らず,ネットの日記でも言えること。 うちと相互リンクさせていただいているサイトの日記も(→リンク←) 文章には人柄が表れるようで,毎日楽しませていただいています。
今回の小生日記は年末の疲れた脳にはちょうどいい感じの本でした。 さて書き終えたら,続きを読みます。 買ったまま読んでいない本もあるので,それをこの年末年始休みの内に 少しでも消化したいと思っています。
明日は2004年最後の更新をしたいと思います。 戯言No.531
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