朝の処置（消毒）の時、「今日から歩く練習してみようね」と言われて、航平はやはり泣きそうになっていた。
入院日からずっと点滴しているので、そろそろ今の所が限界になってきたので、反対の腕につけかえる事になった。
「航平くん、点滴つけかえるから、処置室まで来てください」とナースセンターからコールがあった。（何かきっかけがないと歩こうとしないだろうからと、婦長さんが呼び出してくれたのだ）
歩くのは、傷が痛い・・・でも、漏れ始めた点滴もこのままでは痛い・・・
究極の選択だ（笑）点滴の棒につかまり航平はゆっくり歩き出した。「痛い」体を曲げて泣き出した。（小さな傷とはいえ、まだ3日目、痛いはずだ。でもここで頑張らないと後がもっと辛い）背中と床が平行になるくらい体を曲げながらも数メートルの距離を嗚咽しながら歩いた。先生や看護婦さんに「偉い、良く頑張ったね」と誉めてもらったが、本人は放心状態だ（笑）帰りは車イスに乗せてもらった。
昼、2回目の歩行練習。今度は往復歩いた。行きは泣いていたが、帰りは顔は辛そうだったが泣かなかった。
夕方、3回目。今度は往復泣かずに歩いた。
私の方が目がウルウルしてきた。痛くないはずはないのに、必死でこらえている。
普段すぐ「できな〜い」とあきらめてしまうタイプの航平だが、本当にこの日は頑張りました。花まるです！
そう言えば、手術の傷の事を書いていなかった。
傷は5ヶ所。両脇腹（脾臓、胆嚢、を摘出した所）に一つづつ。
おへその下に2〜3�僂僚�（これが一番大きい）
胸の下あたりに左右1つづつ。計5ヶ所。
脾摘、胆摘したところは、チューブが入っていて、安全ピンでチューブが体内に入らないよう止めてあった。
胸の下の傷はホッチキスのようなのもので止めてあった。
おへその下はバンドエイドのようなものが貼ってあった。
腹腔鏡の手術内容は説明で聞いてはいたが、こんな小さな穴から器具を入れてＴＶモニターを見ながら臓器を摘出するなんて・・・（脾臓なんて穴の数十倍は大きい）あらためて「凄い・・どうやってするんだろう」と思った。
出来る事なら手術を見学したかったな。と思った。
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