singersong professor KMの日記

2006年01月20日(金) ライブドア事件(その3)

 ライブドアによる投資組合を利用した利益操作が報じられている。これはこれで別途会計問題でもある。それにしても今回の商法改正のなかで、有限責任事業組合(LLP)が登場してきている。これの利用方法、というか「悪用」方法の、ある種の典型がライブドアに見られると言うべきではないか。その匿名性などが問題視されているけれど、それが「長所」として制度化されたのではなかったか。はじめから、こういう利用のされ方もある、そういう制度であるという認識もなく制度化されたとすればなにをか況わんやである。

 商法改正というか、会社法創設というか、今回の一連の商事法関連法の「自由化」はこういう危うさをはらんだものだと思う。今更騒ぐのは、おかしい。小泉「改革」を支持しておきながら、ライブドア事件のようなことが起こると手のひらを返したように問題視する手合いにはいやになる。はじめからそういう制度化をしたことの問題なのだと思う。これは姉歯事件でもみられる。検査を、いわゆる「官から民へ」移したことが一つの原因であることは間違いない。はじめからこういうことが想定されていたはずだ。事件が起こってから騒ぐのもどうかと思う。制度化に不備があったというべきだ。拙速というべきかもしれない。

 会社法自由化運動というのが、20世初頭から1920年代のアメリカで起こった。これが様々な問題を起こし、1930年代のルーズベルト大統領の時代に規制の時代に入ったことを想起すべきだ。レーガノミックス以後のアメリカでも再び問題が起こった。その典型がエンロン事件だった。これが会計改革法につながった。日本ではこれらアメリカの経験をふまえた上で制度化するという後発の利点があったはずだ。ところがそれがそうではないらしい。同じ過ちを繰り返しそうだ。そういう意味で言えばライブドアを一概に責められない。

 ネット証券が個人投資家層を増やした。この投資家がライブドア・ショックで狼狽売りをした(それが東証のシステムに負荷をかけたのだが)。個人投資家がこの事件で損をしたことを問題にする向きもあるが、もうけたときには問題にしないで、損をしたときだけ問題にするのもおかしなものだ。そういうものだと言えばその通りだが。証券市場とはそういう場所だと認識しておくべきなのである。今回のことを大騒ぎする人には市場参加資格はない。ライブドアの危うさは、はじめからわかっていたはずだ。儲かるときには何も言わずに、損をしてから文句を言う。やめてもらいたい。


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singersong professor KM